カナダで理学療法士になるための方法

CANADA

カナダでPT(理学療法士)になるには?

カナダで理学療法士になるには現在Masters(修士)が必要ですが、PTプログラムのある大学は15校(そのうち英語のプログラム10校、フランス語5校)しかありません。そのため競争倍率は高く学部で相当優秀な成績を残さないと入学できないようです(留学生は現地の生徒より更に狭き門でより高い成績や入学試験でのスコアが求められるようです)。聞いた話ではバンクーバーにあるUBCでは80人定員のところ500人の募集があったそうです。

PTプログラムがあるカナダの大学リスト

参考:http://www.physiotherapyeducation.ca/CanadianPrograms.html

ただし、これらのプログラムは基本的には

①カナダ人(+カナダの永住権保持者)

 もしくは

②PT教育を受けた事のない留学生

向けのプログラムであり、既にカナダ国外でPT教育を受けた人はCredentialingと言うプロセスに進む必要があります。

(日本でPTプログラムを受けていない方で大学を卒業されている方は必要な単位や成績など条件を満たし入学試験に合格すれば上記のカナダのPTプログラムに進むことができます)

Credentialingとは

簡単に言うと “自分の受けたPT教育・職歴がカナダのPT教育と比較して同等かどうかを審査する事” です。これで同等と認められればカナダで学校に行く必要なくPT国家試験(PCE: Physiotherapy Competency Exam)を受けることができます。

Credentialingは、CAPR (the Canadian Alliance of Physiotherapy Regulators) という国家試験の管轄やphysioの登録管理などをしている団体に依頼して審査を進めていきます。

Credentialingのプロセス

まず、CAPRのHPにあるForm A〜Dを印刷して記入します(サイン以外は手書きでもPCで入力してもOK。ただしオンライン申請は出来ないので入力後印刷する必要があります)。記入済み書類がCAPRに到着しForm Aに記入したクレジットカードから審査料が引き落とされ審査が開始します。

提出書類には応募者が発送するものと、卒業校から発送するもの、そして第三者機関から発送してもらうものに分かれています。

自分で発送する書類

1. Form A (全5ページ中記入が必要なページのみ貼り付けています)

クレジットカード情報:申請料金支払いに使われます

2. Form B

3. Form C (公証役場にて認証が必要)

4. 卒業・学位授与証明書(認証済みでコピーと英訳文が必要)

5. パスポートのコピー

6. 2枚のパスポートサイズの写真(1枚はForm Cに貼り付け、もう1枚は裏に名前・撮影日・サインを記入する)

学校から発送してもらう書類

全ての手続きの中で最も苦労し、時間がかかった部分です。日本とカナダの実習システムの違いにより必要な情報を母校に記入して頂くのが難しい部分もあったため何度もCAPRや母校、更には実習地の病院のスタッフの方など多くのご協力によりなんとか必要な書類を揃える事ができました。この辺りの対応はそれまでの経験があるかどうかや英語に堪能な方があるかなど学校によって大きく差があると思うので時間をかけて取り組む覚悟が必要です。

1. Form D(1ページ目は自分で記入)

2. 成績・単位修得証明書(日本語の場合、英訳必要)

3. 実習の補足情報(実習地、期間、分野、各実習地の実習時間

musculoskeletal(筋骨格系), neurological(神経系) and cardiorespiratory conditions(呼吸循環器系)の3分野で各実習地においてどの分野の実習行ったかを記入する必要があります。私自身、母校とのやり取りで一番苦労した部分です。

第三者機関から発送してもらう書類

語学力を証明する書類(テスト結果)

TOEFL iBT、CanTEST、IELTSの3つから選べます。(TESTCanというフランス語のテストでも条件は満たせますが対象者は少ないと思うのでここでは割愛します)

TOEFL Component – Internet-Based Test (iBT)Minimum Score
Listening21
Structure/Writing21
Reading21
Speaking Test21
Overall Score (not cumulative)92

CanTEST (standardized English proficiency test administered by University of Ottawa in Canada) of at least 4, with no component lower than 4, plus an oral interview rating of at least 4.5.

CanTEST

An overall score of at least 7 on the Academic International English Language Testing System (IELTS). The test must include all components: Listening, Reading, Writing and Speaking.

IELTS

私の場合以前IELTS Generalを受けた経験があったのと、TOEFLのスピーキングは機械相手で対人(今はIELTSも機械で受けれるようですね)のIELTSより話しにくそうだなという理由でIELTSにしました。

一般的にも各セクション毎の最低点数の基準がなくOverall 7.0のみが求められるIELTSがこの中では一番条件を満たしやすいのではないかと思います。

ちなみにテスト結果は受験日から2年以内のものでなくてはなりません。

また、必要な点数が取れていなくても審査開始できます。しかし最終的な審査結果は語学力を満たさないと公開されませんので、とりあえず自分の受けた教育が基準を満たしているかだけ知りたいと思っても英語の基準をクリアしなければ結果は公開されませんのでご注意ください。

Credentialingにかかる費用

馬鹿にならないのが審査にかかる費用です。

2019年1月時点で審査料は1,077カナダドル(約9万円:1$83円で計算)

それに加えて私の場合2つの書類の公証に¥23,000、翻訳に¥9,000円、大学からの卒業・学位授与証明書の発行代金¥700/1通、また書類発送の度にEMS発送料¥2,000と合計で¥135,000程かかりました。

Credentialingにかかる時間

審査にかかる時間は前例の有無に左右されますが、同じ学校を同じ年に卒業した生徒が以前審査をしていなければ前例有り(Precedent files)にならないため、審査を行う人数が少ない日本人の場合は基本的に前例なし(Non-precident files)になると思います。

前例なしの場合16ー18週を目標にしていますが実際にかかる時間は審査を申し込む人数などによって随時変化するため確認が必要です。

私の場合、2018年2月より書類集めを開始しましたが書類作成に予想以上に手間取ったため、実際に必要な書類が揃ったのは6月25日、その後も追加で書類を求められて最終的な結果が出たのは2019年1月18日と審査終了までほぼ1年かかってしまいました。余裕を持ったスケジュールで審査に臨むことをお勧めします。

まとめ

時間も費用も思っていた以上にかかりました。途中、母校と書類作成の件で議論していた際はなかなか話が進まず、正直何度か諦めかけそうになる事もありましたが、審査以外で夢中になる物を見つける事で気を紛らわせどうにか乗り越えることができました。

色々と細かいルールはありますが、事情を説明するとCAPRは割と柔軟に対応してくれることが多いので、粘り強く進めてみてください。

⚠︎ 細かいルールは日々変更されていきます。この記事はあくまでも参考程度にとどめて、最終的にはご自身でCAPRサイトご確認下さい。

コメント

  1. だいゆう より:

    こんばんは。今年新卒の理学療法士です。
    偶将来的にカナダのアルバータ州カルガリーで働きたいと思い、調べていたら偶然ブログを見つけました。
    書類集め大変みたいですね。。だいたい3年後を予定しています。今は英語と理学療法士として運動器を中心に勉強するつもりです。
    応援しています!頑張ってください。

    • yutayamato より:

      コメントありがとうございます。
      カルガリー志望なんですね!僕もアルバータの山が好きなので候補の一つです。カルガリー志望には何か理由があるのですか?差し支えなければ教えてください。
      書類集めは予想以上に時間とエネルギーを費やしました。。もし審査を受ける予定でしたら早目のスタートをオススメします。
      運動器でしたら僕も同じ分野です。今後オーストラリアで徒手療法のコースを受ける予定ですのでそれについての記事もまたアップしますね。
      だいゆうさんの英語力がどれくらいか分かりませんが、英語力はかなり高いものが求められますので気長に勉強していく必要がありますね。僕もまだまだだなぁと日々感じています。
      お互い、目標に向かって頑張りましょう!

  2. だいゆう より:

    お返事ありがとうございます。
    カルガリー志望の理由は子供の頃からアウトドアが好きでキャンプや釣り、昆虫採集などの自然を満喫したいこと、それをするために必要な物(車など)や、税金が安いこと。他にも理由はいっぱいあります!
    ブログを読ませていただいてから、書類集めはエネルギーがいるので1年少し前から始めようと思っています。
    新卒で外来の整形外科に勤務しようと考えています。
    失礼でなければ、徒手療法のコースをなぜオーストラリアで受けるのか知りたいです。
    英語力はまだまだですよ!語彙や文法から学んでいます。

    ブログの更新楽しみに待っています!お互い頑張りましょう!

    • yutayamato より:

      なるほど、アウトドア好きですか!それならバンフやジャスパーまで近く、かつアルバータで一番大きな町であるカルガリーが良いかもしれませんね!
      住んではいませんが帰国前にバンフとジャスパー国立公園でキャンプしたりしましたが山の迫力が日本と比べ物になりませんでした。
      徒手療法のコースを受ける理由は単純に自分の技術を高めたいということと、カナダのphysioの求人を見ているとほとんどの求人でmanual therapyの技術が求められているからです。日本でも色々勉強できるとは思いますが、英語で受けたかったのと、オーストラリアの徒手療法に興味があるというのも理由です。

  3. keita より:

    こんばんは。
    臨床3年目になる理学療法士です。
    自分もカナダの理学療法士を目指しており、現在はIELTSの試験勉強しています。
    カナダ理学療法士なりかたにてIELTS以外に必要な手順を拝見させていただきました。とてもわかりやすく、勉強になりました!
    しかし早めに動き出さなくてはと思っております。。
    yutaさんは留学エージェントなどにご相談とかされたのでしょうか?
    また留学についての知識等はどこでお集めになったのでしょうか?

    • yutayamato より:

      keitaさん、コメントありがとうございます。
      同じ目標に向かって進まれてる方からのコメント嬉しいです!
      カレッジや大学に行くような長期の留学はしていないのですが、2015年10月から半年間バンクーバーに住んでいた際にパートタイムで発音とスピーキングの語学学校に数ヶ月行きました。なるべく独学でと思っていたのですが、やはり発音などは人に教わるのが早いなと思ったのと、学校に行くことで色々繋がりが出来るのを期待してです。
      エージェントですがたまたま東京でワーホリ説明会をしていたアブロードカナダさんにお世話になりました。と言っても費用節約のためにビザなどは自力で行い、語学学校の紹介だけお願いしました(エージェントを通すことで割引があり直接学校に申し込むより安く済むため)。その他現地での銀行口座の開設にあたり銀行に予約をとって頂いたり、オフィスに遊びに行かせてもらったりと、予想以上にお世話になりました。済む街にもよると思いますがバンクーバーオフィスの中村さんは気さくな方で年齢的にもお父さんのような存在でした。
      それ以外はネットで色々なサイトをチェックしたり色々な人のブログなどを読み漁り情報収集しました。

      何かわからない事あればお気軽にご相談ください!

      • keita より:

        返信ありがとうございます!!
        そうなんですね!! 今でさえ情報収集に苦しんでいるので、本当にありがたいです!!

        是非また相談させて下さい!
        ツイッターフォローさせて頂いたのですが、そちらの方で連絡させていただいてもよろしいでしょうか?